離婚に向けての準備
離婚は、特別珍しいことではありません。近年の離婚件数は、「約2分に1組」のペースと数多くの離婚が成立しています。
離婚は、法的な手続きであり、離婚届を役所に提出して、夫婦のうち一方の籍が抜かれることで成立します。後悔しないように、離婚に向けて準備すべきことを整えてから司法書士などに相談しましょう。
離婚に向けて準備すべきこと
1:離婚の理由を明確にすること
協議離婚には、夫婦の合意が必要となるため、相手を説得できるだけの明確な離婚理由を準備しておく必要があります。
裁判での解決を目指すときには、法律で認められた離婚理由に該当しているかが問われるため、具体的な証拠なども準備しておく必要があります。
2:お金の準備
離婚を成立させるまでの手続きそのものにもお金がかかりますが(特に裁判離婚)、離婚後の生活を成り立たせるためには、長期的な視野から経済的な収支を見通しておくことが大切です。
財産分与の話合いに備えて、結婚後に築いた財産がどのくらいあるのか確認しておくことが必要です。
裁判費用や専門家に支払う費用など、離婚の手続きに備えてお金の準備はどうしても必要です。
3:子どものための準備
親権者になりたいときは、子どもを引き取るための準備をする必要があります。
子どもの進路や預け先についても調べておく必要があるでしょう。
養育費がどれくらいになるかを調べておくことも非常に大切です。
離婚後の問題
お金の問題
離婚したら、収入や子どもとの生活に大きな変化が生まれます。どんなことが起きるのか、何に困るのかなど、各種事例を調べながら自ら想定しておく必要があります。
離婚すると直面するのがまずお金の問題です。
離婚前から働いていて、離婚後も仕事を続ける見通しが立っている人はすぐに生活費に困ることはないかもしれません。しかし、長年専業主婦として生活してきた人は、生活費を確保するために仕事を探す必要があります。正社員として就職するのは決して簡単ではありません。近年の統計では、パート・アルバイトなどの非正規雇用労働者の割合は、労働者全体の38.3%というデータがあります。
離婚後の生活場所についても、あらかじめ考えておく必要があります。離婚後には、夫婦のどちらか(あるいは両方)が新しい住まいを探すことになります。住居を借りる場合には、敷金・礼金、引越し費用などがかかります。実家に頼ることができるなら、実家に転居することも一つの方法です。
子どもの問題
子どもについては、どちらが引き取って育てるかという問題だけでなく、養育費の支払いをどうするかも大きな問題です。仕事と育児の両立を目指すのであれば、子どもの預け先についてもしっかりと考えなければなりません。
子ども本人が両親の離婚をどう受け止めるのかという精神面でのケアも重要です。離婚したからといって、必ず子どもが不幸になるわけではありませんが、子どもの幸福を第一に考えることが大切です。
また、親の介護を抱えている場合は、介護と仕事、育児との両立をどうするのかも考えておかなければならなりません。
財産の把握
離婚するまでには、さまざまなお金の問題をクリアしなければなりません。まず離婚まで別居する場合、婚姻費用の分担が問題になります。これは、扶養能力のある方が、生活費を支払うというものです。
結婚している間に築いた財産は、どちらの名義になっていても共有財産として分割します(財産分与)。
このほか、結婚生活を破綻させた側が支払う慰謝料や、将来の生活費として受け取る年金の分割、離婚後の子育てに必要なお金、子どもと別居している親が支払う養育費などがあります。
財産の把握時期
一度離婚を切り出してしまうと、相手がもっている通帳などをチェックするのは難しくなります。離婚を考えた時点で、財産の把握をはじめましょう。財産の内容がわからないと話し合いもできず、請求額が減る、請求ができないなどのおそれもあります。
なお、財産はプラスの財産だけとは限りません。住宅ローンや借金など、マイナスの財産もどのくらいあるのかをチェックしておきましょう。これらは、財産から差し引かれることになるからです。
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離婚にかかる費用は弁護士へ依頼するのと比較しますと大きな差があります。当事務所では定額制のため、成功報酬はいただいておりません。 離婚した後の生活こそ、お金がかかるものです。離婚にかかる費用を極力抑えて、新生活を迎えてください。