夫婦は、その協議で離婚をすることができます(民法763条)。これを協議上の離婚または協議離婚といいます。
協議離婚の要件は、夫婦間の協議すなわち離婚意思の合致のあること(実質的要件)、および戸籍法に定める届出をすること(形式的要件)です。
規定の推移
協議離婚制度は、旧法により定められました。その趣旨は、当事者による離婚の合意の尊重と離婚原因となるような家内の不体裁、裁判沙汰にせず協議で(家内で)解消しうること、婚姻の手続きと同様の形式により婚姻を解消しうることにあります。
しかし、実際には協議離婚は家制度のもとで家風に合わない嫁の追い出し離婚に利用され、当事者、特に妻の意に沿わない離婚も「協議」の名の下に正当化されることとなりました。
この結果を防止するために、戦後の民法改正時に、参議院が協議離婚につき届出前の家事審判書による確認を求める修正案を可決しましたが、成文化されませんでした。
しかし、詐欺・強迫による協議離婚の取消しが新設されています。
なお、協議離婚に関する旧法の規定は戦後改正時に離婚の同意権者に関する規定が削除されたほかは、ほぼ引き継がれており、本条も同様です(旧808条と同一)。
協議離婚の位置づけ
当事者の協議ができないとき(離婚の合意が得られないとき)は、当事者の他方相手に法定の離婚原因を主張して裁判所に離婚の訴えを提起しなければなりません。
この場合、まず家庭裁判所に調停を申立てなければならず(調停前置主義)、この過程で調停離婚または審判離婚が成立することがあります。
また、離婚の訴えを提起したのちも和解または認諾による離婚が成立することもあり、協議離婚を含め、6種類の離婚方式が認められています。なお、実際には離婚のほぼ9割を協議離婚が占めています。
協議離婚は、夫婦の合意によりしかも行政機関への届出という簡易な方式により離婚を認める点で、日本法に特有の離婚方式といわれています。
夫婦間で離婚の合意が成立した場合には、それを尊重し、法律もそれに干渉しないという、合理的で、ある意味では理想的な離婚方式です。
しかし、そのような協議離婚制度が適正に機能するためには、夫婦が自由で対等な立場で十分に意見を交換したうえで離婚の合意をすることが前提であり、そのような協議を確保する必要があります。
離婚意思の合致
当事者間に協議すなわち離婚についての意思の合致があることが必要です。離婚意思の合致は、届出という方式によって表示されなければなりません。
婚姻や協議離婚などのように、直接に身分の創設・廃止・変更に向けられた法律行為は、本人の自由な意思にもとづくものでなければなりません。すなわち、意思能力(ここでは離婚とはどういうものであるかを理解し判断する能力)を必要とします。
未成年者は、婚姻により成年に達した者とみなされるので、意思能力のある限り単独で協議離婚をすることができます。
離婚意思の意義
当事者に婚姻の実態を解消しようとする意思がないにもかかわらず、離婚による婚姻関係解消の効果を利用して、何らかの目的を達するための便法として離婚の届出をする場合(仮想離婚)に、その離婚を有効とみるべきか否かを巡って争いがあります。
判例は、方便のための離婚の届出であっても、当事者が法律上の婚姻関係を解消する意思の合致にもとづいてしたものである以上、離婚意思がないとはいえず離婚は無効とはいえないとしています(最高裁判所判決昭和38年11月28日)。事実上の婚姻関係は続けながら離婚を届出たケースですが、婚姻関係を解消する意思があるため協議離婚が成立した判例です。
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