越谷の離婚・株式会社設立は美馬司法書士・行政書士

株式会社設立株式解説

普通株式と種類株式

1.普通株式とは、種類株式を発行する場合に、権利内容に何も限定のない標準となる株式のことを言います。(なお、普通株式は、剰余金の配当および残余財産の分配について内容の異なる株式(優先株式、劣後株式)を発行した場合の、標準となる株式の意味でも使われます。)しかし、通常、定款で単に株式と言うときは、普通株式を指します。

2.会社法においては、発行する全部の株式の内容として、①譲渡制限株式、②取得請求権株式、および③取得条項付株式とすることを、定款で定めることができます。これらの株式は、発行株式の全部について一律に定めるもので、種類株式との対比では、普通株式に入るものと言えます。

3.種類株式とは、株式の一部について異なる内容の定めをして発行する株式のことを言います。会社は、種類株式を発行するには、その内容および発行可能種類株式総数などの所定の事項を定款で定めることを要します。

4.種類株式中の議決権制限種類株式数とは、株主総会において行使すべく議決権の制限を設けた株式のことです。議決権制限種類株式を発行するには、①発行可能種類株式総数と②会社法に規定する事項を、定款で定めることを要します。なお、会社法は、非公開会社については、議決権制限種類株式の発行数(発行割合)に制限を設けていません。

ページのトップ「株式会社設立株式解説」に戻る

 

株券不発行株式会社(その1)

1.旧商法においては、定款で株券の不発行を定めない限り、株券を発行しなければならないとされていました。しかし、非公開会社(株式譲渡制限会社)においては、ほとんど株券は発行されず、公開会社を含めて株券発行会社においても、多くの投資家は、株券を証券保管振替機構に委託したり、証券会社の保護預りにしていました。そこで、平成16年の旧商法の改正により、定款で定めることにより、株券を発行しないことができるようになり、株券不発行制度が導入されました。

2.会社法ではこの株券不発行制度をさらに進めて原則と例外を逆転させ、株券不発行を原則とし、定款で株券を発行する旨定めた場合に限って、株券を発行することができることにしました。そのため、株券不発行は登記事項でなくなり、株券発行が登記事項になりました。

3.会社としては、不発行により株券の発行コストを省くことができ、また、株券の偽造などのリスクをなくすという利点があります。上場会社については、平成21年6月8日までに「株券の電子化」の実施により、すべて株券不発行会社となることから、これから新設される会社も、株券不発行会社が多くなると考えられます。

4.また、株券を発行する旨を定款で定めても、非公開会社は、株主から請求があるときまで、株券を発行しないことができます。したがって、少なくとも非公開会社の設立には、株券不発行会社でよい場合が多いと思われます。

ページのトップ「株式会社設立株式解説」に戻る

 

株券不発行株式会社(その2)

1.株券不発行会社の場合の定款記載例は、次のようになります。

(株券の不発行)

第○○条 当会社の発行する株式については、株券を発行しない。

2.株券発行会社の場合の定款記載例は、次のようになります。

(株券の発行)

第○○条 当会社の発行する株式については、株券を発行するものとする。

当会社の発行する株券は、1株券、10株券、50株券及び100株券の4種類とする。

3.株券不発行が原則化されたため、株券不発行会社においては、株主は、自己について株主名簿に記載または記録された株主名簿記載事項の証明書の交付、あるいは電磁的記録の提供を請求することができます。同様に、株券不発行会社の登録株式質権者も、登録事項証明書の交付あるいは電磁的記録の提供を請求することができます。

4.したがって、特に、株券不発行会社では、株主名簿を備え置くことが強く求められます。なお、すべての株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置く必要があります。

5.株主名簿の記載例は次のようになります。

≪埼玉ABC株式会社の株主名簿≫

氏名 住所 株式数 株式取得日 役職又は他の株主等との関係
1 越谷太郎 343-0041埼玉県越谷市千間台西1丁目○番○号 普通株式100株 平成○○年○月○日 代表取締役

ページのトップ「株式会社設立株式解説」に戻る

 

公開会社と非公開会社(その1)

1.非公開会社とは、株式譲渡制限会社とも言われ、発行する全部の株式について譲渡制限が付されている株式会社のことを言います。これに対し、公開会社は発行する株式の全部または一部に譲渡制限を設けていない株式会社のことを言います。すなわち、発行会社の全部に、譲渡制限が付されている会社が非公開会社であり、それ以外の会社が公開会社ということになります。したがって、一株でも譲渡制限が付されていない会社は、公開会社となります。

2.我が国の大半の株式会社が非公開株式会社です。したがって、少人数の株主から成る会社を設立しようとするときは、非公開会社でよいと思われます。

3.公開会社と非公開会社における機関設計等の具体的な相違点は次のようになります。
まず機関設計ですが、非公開会社(株式会社譲渡制限会社)は株主総会のほか、取締役一人以上の設置のみで可能です。(取締役会や監査役の設置は不要)ただし、取締役会や監査役などは任意設置が可能です。これに対し公開会社は、株主総会のほか、取締役会と監査役一人以上の設置が、最小限必要です。

4.取締役の任期に関して、非公開会社は原則2年です。ただし、最長10年まで伸長が可能です。公開会社は原則2年です(短縮は可能ですが伸長は不可です)。

5.監査役の任期について、非公開会社は原則4年ですが、最長10年まで伸長が可能です。公開会社は4年です。伸長は不可です。

6.非公開会社においては、株式を譲渡によって取得するには、当該株式会社の承認を要することになります。そして、この場合の承認期間は、原則として①取締役会が設置されている会社にあっては取締役会、②それ以外の会社にあっては株主総会ですが、定款の定めにより他の機関(取締役、または代表取締役など)とすることができます。なお、定款で「当会社の株主に譲渡する場合には、上記承認機関の承認があったものとみなす」旨の規定を置くケースが多く見受けられます。

ページのトップ「株式会社設立株式解説」に戻る

 

公開会社と非公開会社(その2)

1.株式の譲渡制限の定款記載例は、次のようなものです。

(株式の譲渡制限)
第○条 当会社の発行する株式の譲渡による取得については、代表取締役(または取締役もしくは取締役会など)の承認を受けなければならない。ただし、当会社の株主に譲渡する場合は承認したものとみなす。

2.会社は、相続その他の一般承継により、当該株式会社の譲渡制限のなされた株式を取得した者に対し、当該株式をその会社に売り渡すことを請求できる旨を定款で定めることができます。これは、相続その他の一般承継により会社にとって好ましくないものが、会社の譲渡制限株式を取得して会社を支配することを防ぐ趣旨です。

3.相続人などに対する売渡請求の定款記載例は、次のようなものです。

相続人等に対する売渡請求
第○条 当会社は、相続、合併その他の一般承継により、当会社の譲渡制限の付された株式を取得した者に対し、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。

4.会社が売渡請求をするときは、会社が相続などの一般承継を知った日から1年以内に、その都度株主総会の特別決議によって、①請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類および種類ごとの数)および、②その所有者の氏名または名称を定めたうえ、その取得者に対し、①を明らかにして請求しなければなりません。会社はいつでもこの請求を撤回することができます。

5.売買価格は、会社と譲渡制限株式の一般承継者との協議により定めます。ただし、両者はいずれも売渡請求の日から20日以内に裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができ、裁判所は会社の資産状態その他一切の事情を考慮して売買価格を決定します。20日以内に裁判所に対する申立てがなされない場合は、その期間内に協議が整った場合を除き、売渡請求は失効します。

ページのトップ「株式会社設立株式解説」に戻る