取締役の選任・解任株式会社設立機関設計解説
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取締役の選任および解任は、定款に特別の定めがある場合を除き、株主総会の普通決議で行います。すなわち、①議決権を行使することのできる株主の、議決権の過半数の株主(定款で3分の1以上と定めることが可)が出席し、②その議決権の過半数(定款でこれを上回る割合を定めることが可)の決議をもっておこないます。
旧商法下での取締役の解任は、総会の特別決議でしたが、会社法では、株主の意向を会社経営に反映させるため、株主の利益に反する取締役の解任を容易にしました(ただし、定款で決議要件を加重することは可能です)。
二人以上の取締役を選任する場合、定款に別段の定めがある場合を除き、株主から株主総会の日の5日前までに請求があった場合、累積投票によることを要します。
ここで、累積投票とは、複数の取締役を同時に選出する場合、各株主は一株につき選任すべき取締役の数と同数の議決権を有し、その議決権を一人のみに集中し、もしくは二人以上に分散して行使することを、選択することができます。
この結果、投票数の多数を得た者から順次取締役に選任するという制度です。この制度は、少数株主の意思を取締役の選任に反映させようとするものですが、批判が多く、旧商法下でもほとんどの会社が定款で廃除していました。
したがって、特に、非公開会社においては、この累積投票制度を定款で廃除してもよいと思われます。
なお、累積投票制度によって選任された取締役は、その解任につき総会の特別決議を要します。