婚姻の取消し婚姻の法文解説
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民法第743条
婚姻は、次条から第747条までの規定によらなければ、取り消すことができない
本条は、婚姻の取消しについて、第744条以下の規定のみによるべきものとし、民法総則の意思表示の取消しに関する規定の適用を、排除したものです。
婚姻の取消原因は、2つの類型に大別されます。
第1の類型は、婚姻の実質的要件のうち、婚姻意思の合致および父母の同意の要件を欠く場合を除く、4つの要件違反の場合です。
具体的には、不適齢婚・重婚・再婚禁止期間の婚姻・近親婚を、原因とする取消しです。
第2の類型は、詐欺・強迫を原因とする取消しです。
第1の類型は、公益的取消しと呼ばれます。
不適法な婚姻届が誤って受理された場合につき、反社会的な婚姻(父母の同意の要件違反は、反社会的に乏しいので取消原因とならない)を、公益的な観点から取り消すものです。
したがって、取消権は、婚姻当事者以外にも、親族などや公益代表者である検察官にも、幅広く与えられます。そして、追認などによる取消権の消滅は、認められていません(第745条・746条は例外規定です)。
第2の類型は、私益的取消しと呼ばれます。
詐欺・強迫を受けた当事者を保護する私益的な観点からの取消しであるので、取消権は、詐欺・強迫を受けた当事者に限定されるとともに、追認などによる取消権の消滅(第747条2項)が、認められます。
婚姻取消しの相手方は、婚姻当事者の一方が提起するときは、配偶者です。
第三者が提起するときは、夫婦(一方が死亡したときは、生存配偶者のみ)です。
相手方となるべき者の死亡後は、検察官です。