重婚の禁止婚姻の法文解説
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民法第732条
配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない
本条は、同一人物に同時に、法的婚姻が重なってはならないという、一夫一婦制の宣言です。
この場合の婚姻とは、婚姻届を出した法律上の婚姻のみをいいます。
事実上の婚姻関係の併存は、重婚とはいいません。
なお、日本で挙行された婚姻については、一方が日本人である限り、外国人との婚姻にも適用されます。
本来、婚姻届の提出に際し、市区町村の戸籍担当者は、戸籍謄・抄本により、重婚でないことを確認してから、受理します。
したがって、重婚的婚姻届は、通常は受理されません。
例外的に、重婚が発生する場合として、次のような状況があり得ます。
第1に、離婚後再婚したが、前婚の離婚が無効または取り消された場合です。
第2に、配偶者が、失踪宣告を受けたことにより再婚し、その後、前配偶者が生還して失踪宣告が、取り消された場合です。
第3に、配偶者が、認定死亡したことにより再婚し、その後、前配偶者が生還した場合です。
第4に、配偶者のある者が、これを隠して外国で婚姻をし、または配偶者のある外国人と国内で婚姻した場合です。
なお、市区町村の戸籍担当者には、実質的審査権がないことから、前婚存在の事実も、前婚の有効性をめぐって係争中の事実も、戸籍に記載されていない場合には、重婚が発生する余地はあります。
重婚は、公益的な取消事由です。
したがって、前婚および後婚の当事者、その親族、前婚、後婚の配偶者、または検察官から、後婚を取り消すことができます。
前婚については、離婚原因となり得ます。
取消しの効果は、遡及しないので、重婚で生まれた子も、嫡出子の身分を失いません。後婚が、取り消されるまでは、両婚とも有効とされています。