重婚的内縁(その4)婚姻の法文解説
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重婚的内縁の夫が、事故死をした場合の損害賠償が、内縁の妻に認められるかは、客観的な法律婚の破綻が、基準になることが多いようです。
内縁の妻が、当初相手方に法律上の妻がいることを知らなかったが、当該内縁の成立によって夫が帰郷しなくなり、法律婚が破綻しました。それにもかかわらず、法律上の妻は、当該内縁のことを知らず、夫の帰郷を待ちわびながら暮らしていました。
その後、夫が事故死をした場合に、重婚的内縁の妻が、事故の加害者に損害賠償を請求しました。裁判所は、重婚的内縁配偶者に損害賠償を認めました(東京地方裁判所判決昭和43年)。法律婚の破綻を、基準にしたのです。
しかしながら、当事者の帰責性や、内縁としての実体の有無に疑問が持たれる事案では、内縁の夫が事故死の場合も、重婚的内縁配偶者の損害賠償が否定されています。
次の裁判例が、該当します。
- 内縁の夫自らが、法律上の妻を遺棄して、内縁関係に入った事例(大阪高等裁判所判決昭和49年)
- 内縁当事者の年齢差(男性60歳、女性24歳)から、同棲の事実は、婚姻の意思のもとになされたものとは認められない、とされた事例(大阪地方裁判所判決昭和45年)。