公開会社と非公開会社(その1)株式会社設立株式解説
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非公開会社とは、株式譲渡制限会社とも言われ、発行する全部の株式について譲渡制限が付されている株式会社のことを言います。これに対し、公開会社は発行する株式の全部または一部に譲渡制限を設けていない株式会社のことを言います。すなわち、発行会社の全部に、譲渡制限が付されている会社が非公開会社であり、それ以外の会社が公開会社ということになります。したがって、一株でも譲渡制限が付されていない会社は、公開会社となります。
我が国の大半の株式会社が非公開株式会社です。したがって、少人数の株主から成る会社を設立しようとするときは、非公開会社でよいと思われます。
公開会社と非公開会社における機関設計等の具体的な相違点は次のようになります。
まず機関設計ですが、非公開会社(株式会社譲渡制限会社)は株主総会のほか、取締役一人以上の設置のみで可能です。(取締役会や監査役の設置は不要)ただし、取締役会や監査役などは任意設置が可能です。これに対し公開会社は、株主総会のほか、取締役会と監査役一人以上の設置が、最小限必要です。
取締役の任期に関して、非公開会社は原則2年です。ただし、最長10年まで伸長が可能です。公開会社は原則2年です(短縮は可能ですが伸長は不可です)。
監査役の任期について、非公開会社は原則4年ですが、最長10年まで伸長が可能です。公開会社は4年です。伸長は不可です。
非公開会社においては、株式を譲渡によって取得するには、当該株式会社の承認を要することになります。そして、この場合の承認期間は、原則として①取締役会が設置されている会社にあっては取締役会、②それ以外の会社にあっては株主総会ですが、定款の定めにより他の機関(取締役、または代表取締役など)とすることができます。なお、定款で「当会社の株主に譲渡する場合には、上記承認機関の承認があったものとみなす」旨の規定を置くケースが多く見受けられます。