株券不発行株式会社(その1)株式会社設立株式解説
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旧商法においては、定款で株券の不発行を定めない限り、株券を発行しなければならないとされていました。しかし、非公開会社(株式譲渡制限会社)においては、ほとんど株券は発行されず、公開会社を含めて株券発行会社においても、多くの投資家は、株券を証券保管振替機構に委託したり、証券会社の保護預りにしていました。そこで、平成16年の旧商法の改正により、定款で定めることにより、株券を発行しないことができるようになり、株券不発行制度が導入されました。
会社法ではこの株券不発行制度をさらに進めて原則と例外を逆転させ、株券不発行を原則とし、定款で株券を発行する旨定めた場合に限って、株券を発行することができることにしました。そのため、株券不発行は登記事項でなくなり、株券発行が登記事項になりました。
会社としては、不発行により株券の発行コストを省くことができ、また、株券の偽造などのリスクをなくすという利点があります。上場会社については、平成21年6月8日までに「株券の電子化」の実施により、すべて株券不発行会社となることから、これから新設される会社も、株券不発行会社が多くなると考えられます。
また、株券を発行する旨を定款で定めても、非公開会社は、株主から請求があるときまで、株券を発行しないことができます。したがって、少なくとも非公開会社の設立には、株券不発行会社でよい場合が多いと思われます。