相手の経歴詐称
近年は、マッチングアプリや婚活サイトで出会った相手と結婚する人も増えており、結婚後に相手の経歴詐称が発覚するトラブルも起きています。
たとえば、「有名大学卒と言っていたのに実は入学していなかった」とか「一部上場企業勤務と言っていたのに子会社勤務だった」などがあります。
このような場合に、離婚が認められるか否かですが、裁判では経歴詐称をしただけで、離婚が認められるわけではありません。そのため、自分にとって経歴が重要であることを結婚前に伝えていた事実や経歴詐称によってどれだけ苦痛を受けたかを具体的な証拠とともに挙げることが重要です。
なお、経歴詐称が発覚してから長い時間が経過すると、離婚理由として主張するのが難しくなるので、早めに別居などの決断をする必要があります。
経歴詐称を理由に離婚するための証拠
結婚前のやり取り
結婚前に経歴が重要であることを相手に伝えていた証拠を示します。
証拠となるものとして、次のようなものがあります。
- マッチングアプリ・結婚相談所への登録履歴
- 相手とのメールの文面
- SNSのコメント など
経歴詐称による苦痛
実生活や将来設計への影響や精神的苦痛を受けたことを示します。証拠となるものとして、次のようなものがあります。
- 日記やメモ
- 相手が職場で解雇された記録
- 心療内科などの通院記録 など
信頼できない言動
経歴詐称以外にも信頼できない言動があった証拠を挙げます。証拠となるものとして次のようなものがあります。
- 日記やメモ
- 配偶者とのメールの文面
- SNSのコメント など
子育てをめぐる問題
子どもに関わる離婚原因には、子どもへの教育方針の相違のほか、夫婦ともに仕事を抱えているのに、自分だけ一方的に家事、育児の負担を押し付けられている「ワンオペ育児」などがあります。
裁判で離婚と親権を認めてもらうには、子育ての問題が生じていた証拠を示すのが一般的です。ただし、どれだけ子どもに無関心であったり、教育方針が合わないと感じられたりする配偶者でも、面会交流は確保する必要があります。面会交流に理解ある姿勢を示すことが肝心です。
扶養者(収入の高い方)から子どもを看護する相手に対して離婚を請求する場合は、子育ての問題が生じていた証拠に加え、離婚後も子どもに対する責任を果たす姿勢を示すことが重要です。
子育ての問題で離婚するときの対応
- 扶養者(収入の高い方)から主に子どもを監護する相手に対して離婚を請求する場合
子育ての問題が生じていた証拠に加え、養育費を支払う意思を示すなど、責任を果たす姿勢を示すことが重要です。子どもの特性(障がい、精神的問題など)によっては、特に子どもの住居や教育について、誠意ある対応が求められます。 - 被扶養者(収入の低い方)で、子どもを監護する側から離婚を請求する場合
母子手帳、育児日記、配偶者とのメール、SNSのやり取りなど、問題が生じていた証拠を示せば、離婚が認められる可能性は高くなります。面会交流に理解ある姿勢を示すことで、離婚と親権の主張を認められやすくすることも重要です。
配偶者の認知症
熟年夫婦は、配偶者のいずれかが認知症を患う可能性が高くなります。認知症の症状が長期間にわたり、今後も治る見込みがない場合は、離婚の理由として認められることがあります。
ただし、配偶者の離婚後の生活にも一定の配慮を求められることになります。そのため、認知症を患っている証拠や、それによって家庭生活に支障が生じている証拠、これまで治療や介護に協力してきた証拠を集めるだけでなく、配偶者の離婚後の生活についての具体的な対策を考えておくことが重要です。
配偶者に判断能力がない場合は協議離婚はできないので、成年後見人を選任したうえで裁判による離婚を求めることになります。
相手が認知症の場合の離婚の方法
1. 離婚に向けた証拠を集める
病気の証拠として、診断書・処方薬の説明書・医療費領収書などがあります。
家庭生活に支障が生じている証拠として、日記・会話の録音、警察から取り寄せた記録(警察のお世話になったことがあれば)などがあります。
これまで病気の治療や介護に協力してきた証拠として、日記、入院・入所時の身元保証書があります。
病気以前に離婚原因があった場合の証拠として、不倫の写真、貸金の記録、DVの記録などがあります。
2. 配偶者の離婚後の生活に関する具体策を考える
財産分与・離婚後数年間の生活費の提供・配偶者の親族への引き受け要請・入所施設の確保などが必要です。
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