離婚後の変更
離婚が成立してしばらく経つと、金銭関係の手続きの漏れやミスが気になってくるものです。「年金分割をし忘れた」「預貯金の一部が財産分与の対象に入っていなかった」といったことです。
改めて請求したい、あるいはいったん取り決めた金額を変更したいという場合、離婚のあとでも、調停や裁判を申し立てることができます。手続きが離婚調停と同じで、行われる内容にも変わりはありません。
請求できる期間には制限があります。慰謝料は3年、財産分与・年金分割は2年が期限です。
離婚成立日から数えてこの期限が過ぎると、相手に新たな支払いを求めるとか、取り決めの内容の変更を求める、といったことができなくなります。
また、離婚協議書などに清算条項が記載されていた場合、原則として、離婚後の請求はできません。清算条項とは、「当事者間には、協議書・公正証書・調停調書に定めることのほか、何らの債権債務のないことを相互に確認する」といった条項のことです。
債権の消滅時効
注意しなければいけないのは、いったん協議・調停判決で決まった支払う義務、支払ってもらえる権利(債権)もまた、ある期限で消えるという点です。
支払いがなされないまま放っておくと、離婚に関する場合、債権は5年で消滅します(調停・判決で決まった場合は10年)。これを消滅時効といいます。
時効後にも支払いの要求はできますが、相手の支払い義務は消え、支払わなくても罰せられなくなります。
これを防ぐには、離婚後すぐに金銭関係の漏れやミスがないかを確認し、あれば裁判所に申立て、自分に債権があることをはっきりさせなければなりません。そのうえで、相手に定期的に支払いを要求し、消滅時効に持ち込まれないようにすることです。
過去の婚姻費用の請求
過去の婚姻費用をさかのぼって請求する権利はあります。しかし、その費用がなくてもこれまで生活できたという事実があるため認められるのが難しいといえます。
また、どの時点までさかのぼって請求できるのかについても、明確に定められているわけではないため、婚姻費用は離婚前に請求しましょう。
離婚財産分与・慰謝料の支払い方法
一括払いと分割払い
離婚による財産分与や慰謝料の金額について話し合いがまとまったら、次にそれらの支払い方法についても取り決める必要があります。
現金の支払い方法については、大きく分けて一括で支払う方法と分割で支払う方法があります。受け取る側の立場に立つと、一括払いが望ましいといえます。一括で受け取ることができれば、あとになって不払いなどのトラブルが起こりえないからです。
しかし、支払いの総額が高額な場合は、支払う側の負担も大きくなるため、分割にするのもやむをえません。このとき、支払いを受ける側としては、確実にお金を受け取るために、できるだけ支払い期間を短く、回数を少なくするよう交渉します。また、現金をできるだけ高く設定しておく方法もあります。
文書に記載して保存
離婚後の生活の援助(扶養的財産分与)や養育費など、定期的に支払うお金については支払う月日、金額、期間、方法などを話し合って決めます。
たとえば、「子どもが満20歳になる〇年〇月まで、毎月末に金5万円を指定する口座に振り込む」などと具体的に決めることが大切です。
取り決めた内容については、必ず文書に残しておきましょう。強制執行認諾約款付公正証書にしておくと強制力があるので安心です。調停や離婚裁判で支払うことが決められた場合は、調停調書や判決にもとづいた強制執行ができます。
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