子どもの生活の安定が第一
離婚によって夫婦関係が解消されても子どもの父母であるという事実は変わりません。親には子どもを守る義務があり、離婚という親の都合で子どもの利益を害することは許されません。未成年の子どもがいる場合、離婚時には誰が子どもを守り育てるか(親権者)を決める必要があります。
親権については、どちらが受け持つかを決めない限り、離婚届は受理されず公的に離婚が認められません。子どもが複数いる場合は、それぞれの親権者を決めます。
このように、現在は、離婚後の父母のどちらかが親権を持つ「単独親権」が採用されていますが、離婚後の「共同親権」についての法案が可決されたため、2026年5月中までには施行される予定です。
共同親権とは、離婚後も父母双方が子どもの親権を持つことです。
離婚して離れて暮らすことになった親にも、子どもの成長に必要な費用(養育費)を負担する義務があります。どの程度負担するかについても話し合いのうえ決定します。
子どもの将来を見据えて考える
離婚したからといって片親を子どもの人生から排除することは認められません。離れて暮らす親にも子どもと会う権利が認められています(面会交流)。いつ、どのように子どもと面会するかについても、話し合いのうえ決定します。
離婚によって両親の戸籍が別れた場合、子どもの戸籍は筆頭者であった親の戸籍に残ることになり、姓も変わりません。子どもの戸籍と姓を変更する場合は手続きが必要です。戸籍を抜ける方の親が子どもを引き取る場合は、どうするかを考えなければなりません。
いずれも親の都合を優先して結論を出すのではなく、将来的な子どものしあわせを第一に考えたうえで決定する必要があります。
子どもの不安を取り除く
子どもにとって両親の離婚は大きな環境の変化をともなうため、不安をもつのも当然です。子どもに「離婚する」という結論だけを伝えると、「自分が悪かったのではないか」「これからどうなるのか」と不安をつのらせます。
なぜ離婚するのか、これから誰とどう生活していくのかをきちんと説明していくのが大切です。このときは、子どものことを第一に考えている気もちを伝えるように心がけてください。
また、子どもの前で離婚をめぐって言い争いをするのも子どもの不安を助長します。離婚の話し合いをするには、子どもを実家か一時保育にあずけるなどの配慮が必要です。
親権者の義務
親権は「親が子どもと暮らす権利」と解釈されがちです。これも親権に含まれますが、「子どもの利益を守るための権利」というのが正しい意味合いです。
人は皆、自分の利益を守る権利をもっていますが、未成年の子どもはまだ未熟なので自分の利益を守れません。代わってその利益を守るのが親です。
子どもの利益を守る義務をきちんと果たすならば、という条件のもとで未成年の子どもを自分の庇護下に置くのが親権です。子どもの利益を最優先に考えることが、親権の考え方の根底にあります。
親権をもつ親は子どもを保護・教育し、子どもの財産を管理し、子どもに代わって決定を下せますが、それが子どもの利益になるからこそ、これらの行為が認められています。
子どもの利益を無視すれば、親権の濫用を問われます。「やりたくない」と親権を放棄することもできません。親にとっては「権利」である以上に「義務」なのです。
親権をもつのは片方の親だけ
結婚していれば、親権は父母の双方がもちますが離婚すると、基本的には現在ではどちらか一方がもつことになります。いわゆる単独親権です。親権と監護権を分離するケースもありますが、分離することが子どもの利益になる場合に限られるため、あまり行われていません。
夫婦で合意できなければ裁判所に解決を委ねます。離婚前ならば離婚調停、離婚後は親権者変更調停を申し立てます。どちらの場合も調停では子どもの利益が重視されるので、「わたしが一緒に暮らしたいから」という親のエゴは考慮されません。
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